声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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置鮎龍太郎の声優道

『地獄先生ぬ~べ~』の鵺野鳴介、『SLAM DUNK』の三井寿をはじめ、これまで数多くのキャラクターを演じている置鮎龍太郎さん。小さい頃からアニメ好きで、声優を志して青二塾へ。その後、青二プロダクションに入り、プロの声優として一本立ちしていくまでのプロセスを語ってもらいました。

プロフィール

置鮎龍太郎 おきあゆりょうたろう・・11月17日生まれ、福岡県出身。青二プロダクション所属。主な出演作は『トリコ』(トリコ)、『地獄先生ぬ~べ~』(鵺野鳴介)、『SLAM DUNK』(三井寿)、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(フランツ・ハイネル)、『ONE PIECE』(カク)、『勝負師伝説 哲也』(阿佐田哲也)、『マーマレード♥ボーイ』(松浦遊)、『フルーツバスケット』(草摩紫呉) ほか多数。

②やはり何年経っても、努力や試行錯誤というものは必要

やはり何年経っても、努力や試行錯誤というものは必要

_DSC4131_thumbアニメで最初にいただいた仕事は、古谷徹さん主演の『ドラゴンクエスト』(’89~’91)です。これに一度だけ出演させてもらいました。それから『まじかる☆タルるートくん』(’90)、『ゲッターロボ號』(’91)など、青二プロがキャスティング協力を行なっていた東映動画さんの作品にたくさん出演しました。それと並行する時期にいくつかのオーディションを受けては落ち、受けては落ちを繰り返してました(笑)。

 そして、運命のオーディション。同時にいくつもの作品の音響製作をしていた、とある会社のオーディション。そのひとつに引っかかったのが『新世紀サイバーフォーミュラ』(以下『サイバーF』)(’91)という作品でした。ここで初めて〝フランツ・ハイネル″という名前のある役をいただいて、1年間出演しました。僕にとっては最初のレギュラー作品。出番こそ多くはありませんでしたが、TVシリーズ後も何年にもわたり続く長期作品に。この作品と出会ってなかったら、今の私はいなかったであろう、大切な作品です。

 ところが、その『サイバーF』が終わって1年くらい、なかなかチャンスに恵まれなくて。まだ『サイバーF』のいろいろなシリーズが決まる前だったんですね。「どうしよう、どうしよう?」とあせりながら過ごしていました。そんな頃に、サンライズさんの『勇者特急マイトガイン』(’93)、『疾風!アイアンリーガー』(’93)、『勇者警察ジェイデッカー』(’94)、『覇王大系リューナイト』(’94)、『黄金勇者ゴルドラン』(’95)、『新機動戦記ガンダムW』(’95)といった作品に続けて出演できる機会が得られました。東映アニメの『SLAM DUNK』(’93)、『ママレード♥ボーイ』(’94)、『地獄先生ぬ~べ~』(’96)なども同時期ですかね。その頃になってやっと、「声優としてやっていけるかな」という気持ちになりました。もちろん上京してすぐ「やっていかなきゃ」という気持ちでやってはいましたが、ずっと「やれるかな?」という不安な気持ちもありました。今でもそういう気持ちは残っていますけど、でも自分はこれ(声優)しか食べていく術がないですからね。

 プライベートでいろいろありまして、並々ならぬ覚悟をもっていましたし、「もう退かない!この仕事(声優)で食べていくんだ」と腹を決めてやっていました。そういう覚悟があったから心が折れなかったし、クサらなかった。ダメ出しされても真摯に受け止め、前向きにいろんなことを考えられたのだと思います。

 これまでたくさんの作品に出させていただきました。たとえば『SLAM DUNK』(’93)は作品自体の認知度がとても高く、しかも三井寿というわかりやすいキャラクターをやらせていただいたおかげで、若手同業者の方から「観てました♪」と言われることも多いです。ちょっと前に『SLAM DUNK』のブルーレイ発売記念イベントに出させてもらって、大きなスクリーンでお客さんと一緒に作品を観る機会がありました。そして先輩の草尾毅さん、西村知道さんたちと一緒に登壇し、(西村さんが演じた)安西先生と20年の時を経て、作品について話したりしました。20年後にそんなことができるとは思ってもいなかったので、ありがたいことです。

 『地獄先生ぬ~べ~』(’96)は初主演で、鵺野鳴介役をやらせていただきました。アニメ放送から20年近くもたって、まさかの実写ドラマ化もされましたが、僕も一度だけドラマのナレーションに参加させてもらいました。続編の漫画連載も始まり、個人的にも応援しています。

 ここ数年は、〝ごつい系″の役を振られることが多いんですよ。アニメ『戦国BASARA弐』(’10)の豊臣秀吉役とか、『トリコ』(’11)のトリコ役とか。そういうムキムキマッチョの役を初めて任されたときは、「どうしてこの役を自分に?」と謎でした(笑)。そういう役に定評があるわけでもないのになぜだろ?と。『BASARA』のゲーム収録の最初の頃はものすごく違和感があって「できてるのかなぁ?」と不安で……。でも「一生懸命やるしかない」と無理してやっていくんですね(笑)。最初の頃は意識しすぎていたんですよ。単なる思い込みで「大柄のムキムキの役だから、低音を出さなきゃいけない」と一生懸命やっていたんだけど、自分で聴いてみて「自然に聞こえないな」と。僕自身、年齢とともに低音に余裕が出るようになってきているから、もっと自然にやったほうがいいんじゃないかと。その後は、うまくコツをつかんで自然にマッチョ感を出せるようになりましたし、体に負担なく演じられるようにもなりました。

 声優の仕事って、いつも自分が演じたい役を演じられるわけじゃないので、『BASARA』はよい機会だったと思います。絶対に自分から「これ、やりたい」と言うような役じゃないですし(笑)、これはスタッフさんに、自分の新しい扉を発見していただいたのかなと思っています。

 何年たっても努力や試行錯誤というものは必要ですよね。声優になって26年になりますが、いつも新鮮な気持ちで演じられるようにと心掛けています。あまり頭を固くせず、柔軟にしていることが大事なのかな。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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