声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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冨永みーなの声優道

5歳のときに子役としてスタートし、後に声優へと転身。“アイドル声優”のはしりとしてラジオや歌、イベントなど幅広く活躍。そして国民的アニメ「サザエさん」のカツオ役をはじめ、数多くのキャラクターを演じてきた冨永みーなさん。彼女がこれまで歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

冨永みーな とみながみーな・・・4月3日生まれ。俳協所属。主な出演作は、アニメ『サザエさん』(カツオ)、『それいけ! アンパンマン』(ロール・パンナほか)、『スマイルプリキュア! 』(マジョリーナ)、『めぞん一刻』(七尾こずえ)、『地獄先生ぬーべー』(細川美樹) ほか多数。

③息子の年から母親の年まで、幅広く演じてみたい

息子の年から母親の年まで、幅広く演じてみたい

1DX1991私はアニメでは『サザエさん』を長くやらせていただいていますが、ナレーションも長く続いた番組が多いんです。『世界ウルルン滞在記』に『どうぶつ奇想天外!』。『開運!なんでも鑑定団』は今も続いてますし。ここ20年を振り返って、仕事の面では大きくは変わりないんです。 その反面、プライベートは劇的に変わりました。主人と出会って、娘と出会って、息子と出会って……。子供から沢山パワーをもらっています。宝物ですよね。いろんなことを教わります。一緒にアニメを見ていて、その反応に「アニメーションってすごいな」と改めて思えたり。子供は敏感だから、絶対ウソはつけないな、などなど。

以前、息子を戦隊ヒーローショーに連れて行ったとき、ヒーローの声がTVで演じている方とは違う声だったのを、息子がいち早く気づいて「声が違う!」とビックリしていました。私はよく聞かないと気づかなかったけど(苦笑)。でも、そのときに「ほら、声ってやっぱり大事」って感動しました。そんな敏感な子供たちと過ごしていられるのは、日々刺激的で勉強になります。

子育てが始まってから、生活が一変。声の仕事は他の仕事より朝起きるのもゆっくりだし、休みの前日には「明日は休みだ。イエ~イ!!」という生活でした。なので、子供が産まれてから切り替えるまでの1~2年のあがきはすごかったですね。「今まで、なんて楽をさせてもらっていたんだろう」と思いました。でも、フルタイムで働いて子供を保育園に通わせているお母さん達と出会い、「あぁ、へこたれていられないな」って思いました。母業の大変さの中まだまだな事ばかりの私ですが、子供とともに成長していけたらと奮闘中です。

私の場合、母親になってからも、お母さん役はあまりなかったので、『プリキュア』シリーズでお母さんを飛び越えておばあちゃん役をやらせていただいたときは嬉しかったです。娘もプリキュアシリーズにハマっていましたし嬉しかったです。指名してくださった東映のスタッフの方に感謝です。

今、小学5年生のカツオくんをやっているので、幅を広げもっと上の年齢の役をやってみたいと思っています。年齢自在が声優の良さですからね。そうだなあ……実母の年齢の85歳ができたらいいかな。そしたら、小学生(息子)から85歳(実母)までになるし。それぞれの役の年齢の躍動や温かさが出せるように演じたいです。

 

私たち声優は、作品作りに携わっている歯車なんだ

日本工学院で講師をやるようになり5年経ちますが、素直ですごく良い子たちに出会えているので、授業をやっていても楽しいです。授業で「明日、私とあなたがオーディションに呼ばれたとして、私が必ず受かるとは限らないし、あなたが受からないと決まっている世界ではないです。私は何10年とやっているけど、この世界はキャリアじゃない」という話をよくします。むしろ、キャリアにあぐらをかくとダメなことも出てきちゃいますよね。“毎回毎回”という意識は、やっぱり大事だと思います。それは新人でもベテランでも同じです。毎回初心! 何事も初心の生徒たちとの時間は発見がたくさんあります。

もちろん上下関係はある世界ですが、一つの作品を作るために集結したメンバーである以上、どっちが上でどっちが下ということだけではなく、全員が作品を作っている一員なんだ、という意識をきちんと持っていたいですね。 作品に真摯に向き合う気持ちや、「私たちは作品作りに携わっている歯車なんだ」という認識を大事にしていきたいと思っています。

 

焦らないで、イキイキと自分を磨いてほしい

1DX1991私は、お仕事を自分から断ったことは、ほぼないんです。言われたことは何でもやってみます。(笑)「声をかけてくれる方がいるんだから、やってみよう」と思うんです。どの仕事も自信があるわけではないので、やりながら勉強するんですけどね。ただ、その仕事を振ってくれた方も、そんなに無理なものは振ってこないと思うんですよ。だから、多少自信がなかったとしても、「言ってくれた方のイメージに(私が)あるのならやってみよう」と。お仕事を断らないというのも、この世界で長く生き残る秘訣の一つなのかもですね。

あとは「イキイキしていれば大丈夫かな」って。この仕事って、変にしがみつかない方がいいように思うんです。“しがみつこう感”みたいなものが出てしまうのは周りの人が困っちゃうでしょうから。そもそも声優自体が社会の中では“娯楽部門”ですから。その人自身がイキイキとしている事が大切なんじゃないかと。

そして、仕事がなかなか決まらなかったとしても気にしないで。もっと長い目で自分のことを見てあげてください。これは極端な話ですけど、1回でも声優の仕事をした経験があれば、その後10年間仕事がなくても、ずっと“声優”を名乗っていいわけですよね(笑)。続けていれば、いつのタイミングでどんないい作品があなたにプレゼントとしてやってくるか分からない。長くやれる職業なので、焦らないで。逆に言えば、いつなんどきでもスタンバイOKな自分でいなくてはいけないのですが、、、、イキイキと自分を磨かなくてはですね。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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